2007年阿佐ヶ谷に開業した、「餃子房 豚八戒」は、中国ハルビン出身の陳氏と兵庫県出身の香山氏とが御夫婦で切り盛りしている4坪の餃子の専門店だ。香山氏は、10代の頃からバーや創作料理の店などをいくつも立ち上げた経験を持っている。開業のきっかけは本当にたまたま今の店が貸店舗として空いていたのを香山氏が見つけて、餃子の専門店で一人でも始められる規模の物件だったこともあり開業を決めたのだという。
ハルビン出身の陳氏の故郷では餃子が名物だという。子供の頃は家庭の味としてどの家でも餃子を作っていたのだという。「開業資金はあまりなかったので、すべて自前で内装も厨房も作りました。」 「もとは焼鳥店だったようですが、大工仕事でカウンターを作ったり、厨房の戸棚も近隣でもらってきたりして、もともとそういう事が得意でしたが、やはり開業までに時間はかかりました。」そう香山氏は振り返る。
「餃子房豚八戒」の名物は中国式の5種類の餃子だ。焼餃子・蒸し餃子・水餃子と選べどれも人気だという。日本の餃子はニンニクが入っているが、中国ではニンニクは入れないという。しっかりと味や旨みはあるが、あっさりと軽く食べれるため女性客にも非常に好評だという。まだその日仕込んだものはその日のうちに使い切り常に新鮮で美味しいものを提供するようにしているのがこだわりだ。
当初は陳氏1人で始めたが、2~3ヶ月後にはすぐに評判になり、忙しくなってきたため御主人の香山氏も手伝いに入るようになったという。現在は18時からの予約しか受け付けていないが、既に3か月先まで一杯だという。今後も夫婦でお客様のためにひとつひとつ良いものを提供していきたいとのことだ。