先輩経営者からのメッセージ

東京都の先輩経営者

来住野 正明

ここでなければ食べられない!昔ながらのあたらしい味

来住野 正明カレー、とんかつ(1921年開業 )

創業は大正10年(1921年)、初代がフランス料理をレストランで修業したのち、神楽坂に店を出店したのがはじまりだ。豚肉に衣をつけて揚げたものを「とんかつ」と名付けたのはこの店がはじまりと言われている。

当時は様々な洋食も含めて、花柳界で仕出しを中心に商売をしていたという。戦後、新宿に移転し以来「とん丼」を名物に繁盛を続けている。

名物の「とん丼」とは、初代が開発したこだわりのサクサクジューシーなとんかつを、大きく3きれカレーソースをひいた上にのせて提供する逸品だ。

一般的なとんかつはロースとヒレと2種類使い分け使用しているが、王ろじではあくまでロースにこだわっている。「ロースの脂身を苦手と言う方が多いが、豚肉の美味しさ甘みや旨みを本当に味わって頂くためには脂の部分は必要なんです。ただ、脂っこくなく美味しく食べてもらうために肉の仕込みは、手間をかけています。」と二代目店主の来住野氏は語る。「自分が美味しいと感じる、丁寧な仕事をし続ける。自分を信じ、お客様は分かってくれると信じて毎日継続していく。」それが大事だという。

肉の仕込みは、脂身をそいでたたいて伸ばし、粘りをだしとんかつにまとめる。その仕込み時間だけで5時間から6時間を要するという。

「大手のチェーン店も多く出店している地域、その厳しい競争の中で個人店が勝ち残っていく為には、やり方を変えないという頑固さも必要なんです。たださらに味を良くするため、考え続けることは必要です。ここに行かなければ味わえないという味を出して勝負していくことが大切です。」と、二十歳で初代から店舗を引き継いだ二代目は、昔ながらのあたらしい味を追求し続けている。

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