ユカンボシ川河畔公園彫刻広場が、唯一の目印と言っていい、恵庭市の奥まった住宅街の一角に、「カフェ福座」がある。今から5年前、独立を夢見て、自分の周りにある素材を拾い集めたら、カフェという形に辿り着いた。「勝率の極端に低い業種でしたが、今考えると無謀ですよね?」と微笑ながらさらりと語る。開業時に重要視したのは、「良いものを知る大人が心地良く過ごせるお店」ただ1点、大人の方々に支持して頂けるお店作りに集中した。 その為に必要な事は全て、お客様の声、お客様の反応を見て、良いと思った事は、すぐに取り入れた。逆に反応の悪いモノは、即座にやめたそうだ。庭向きの壁を全てガラス張りにし、黒を基調とした木材で、センスの光る空間を作り上げたのも、そんなお客様の声を形にしたモノだそうだ。その徹底した雰囲気作りへのこだわりが、受入れられた。今や、押しも押されもせぬ繁盛店だ。リピート、口コミをして頂く為に最も力を入れているのは、敢えて自慢する事無く、一口飲めば分かる「厳選珈琲」と、「接客サービス」だ。有能な秘書のイメージでスタッフ教育を行った結果、お客様から「福座は、客層がいいね」と良く言われるようになった。言葉遣いに注意を払い、落ち着いた接客を心掛けている。何か失敗談はありませんか?の問いに対して、「今でも殆ど全てが思い通りにいかない、上手くいかない事ばかりです。」“志”の高さと、“謙虚さ”を同時に感じました。 経営者として、もっとも重視しているのは、「スピード」。ライバルである大手企業が、唯一出来ないのは、「スピード」であるとの持論だ。他人の言う事を聞かない性格を自覚し、敢えて色々な方の意見を吸収して、良いと思ったモノは、スピード感を持って、形にして来たから今がある。「全ての正解は、お客様の声にある。」海外進出も視野に入れた店舗展開も行い、更なる夢を追いかけて、高見を目指す。