大学卒業後、編集プロダクションに就職し、“より多くの方々に伝える”事を志として、大手新聞などでコラムを執筆していた。主に、札幌と、札幌近郊の飲食店の取材が多く、見聞きするうちに、専門知識が蓄積されていったそうだ。その中で、北海道における、蕎麦文化の認知度の低さを憂慮すると同時に、郷土蕎麦・伝統が定着していない事に気づき、“蕎麦を伝える”為、また、“定着していない=競合が少ない(ビジネスチャンス)”と考え、自ら蕎麦作りを始める。資産は、蕎麦作りのノウハウ本や、DVDと、見聞きしてきた知識のみの船出だった。平成17年、地産地消を念頭に、より蕎麦の魅力を伝えられる可能性が高い、手打ちの十割蕎麦を主力商品として、昼は蕎麦屋、夜は蕎麦居酒屋というコンセプトで、ひたすらに“美味しい蕎麦”を追い求め、目の届く範囲、手の届く範囲で背伸びせずに、身の丈に合った地道な商いをしてきた10年と振り返る。 体力・技術・伝達能力に磨きをかけ、今後は、蕎麦文化を広めるために、あえて、より小さく、より密度の濃い、より深くお客様と接することのできるような店作りを進めつつ、食べていただいたお客様に感動を与えられるような蕎麦を追求していく。『当店で過ごしていただいた時間がお客様にとって、心の財産となっていただけたら幸いです』