こしの強い麺が特徴の武蔵野うどんを提供し、地域密着で繁盛をしている『肉汁饂飩屋とこ井』。うどんは粉から仕上げまでを、全て機械を使わずに手作業で行うことにこだわり質の高い武蔵野うどんを提供することで、お客様の喜びを追求し続けている。
まったく未経験から、飲食店開業を志したという店主の床井氏は、前職はサービス業やPC関連の仕事をしていたという。
『漠然と将来何かで独立したいという想いは若い頃から、考えていました。洋服関係などでの独立も実は考えていました。飲食業も居酒屋などでの開業も考えていましたが、未経験から何をしようかと考えていた時に、たまたま武蔵野うどんを食べる機会があり、非常に特色のあるうどんで、武蔵野うどんを出している店も周辺には少なかったので、これをやろうと。本当に思い付きで考えたのが、はじまりでした。』
『それから色々インターネットで情報収集していた時に、武蔵野うどんを修業できるスクールを見つけ、そこで修業を3ヶ月積ませて頂き独立を目指しました。』そう床井氏は開業のきっかけを振り返る。
将来は漠然と何かで独立をしたいと考え、働きながら資金作りもしていたため、武蔵野うどんの修業を終えたあとは、およそ2ヶ月という短期間で物件を確保し開業に向けて進むことが出来たとのこと。
『物件探しは、もともと土地勘があった、高円寺・荻窪・阿佐ヶ谷を中心に地域を歩きながら気になる物件があれば、知り合いに声をかけたり、地域の不動産屋に直接飛込みをして探しました。』『今の物件は、以前物販店があった場所でした。駅からも近く路地裏ですが、人通りも近隣にあったためここにしようと決めました。』
『ただ物件の取得はスムーズでしたが、開業までは内装業者や設備業者のやり取りを自分自身で未経験ながら行ったため、4ヶ月ぐらい施工工事にかかりました。今思えばやはり開業の準備をしっかりしておけば良かったなと思います。』そう床井氏は語る。
開業までの工事期間が非常にかかってしまったため、開業前のトレーニングは1日で行い翌日オープンを向かえたという。
『開業後、1年半ぐらいは売り上げを安定させるため、グルメサイトや販促クーポンなど試しながら、運営を行いました。食感的にこしの強い麺が特色なので、あまりなじみのないお客様からは、様々な声を頂くこともありました。そのような時、商品や製法を変えてしまう方向に考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、今考えれば味や製法・こだわりをぶらすことなく行ったことで、好きになって頂ける方をしっかりととりこみ常連客を増やすことができたと考えています。』
『実は幸いにも1店舗目が順調に立ち上がったため、2店舗目を開業2年目に出店しました。ただ2店舗目になると自分自身の目が行き届かない部分が出てきてしまい、味のブレや麺の管理・接客などでお客様に満足頂けずに、やむなく撤退した経験もあります。』
もう一度原点にかえり、立て直しを決意した床井氏は、高円寺本店の運営を見直し
味のブレや接客サービス・麺の管理を再度整え、お客様の喜びを見つめ直すことで、今では多くの地域のお客様に来て頂けるようになり、常連客も増えてきたとのこと。
『これから開業を目指される方には、まず焦らずにしっかりと準備を整えてからはじめることをお伝えしたいと思います。そして味やこだわりはぶらさず、お客様の喜びを追求していくことが大事だと思います。』そう応援のメッセージを頂いた。
今後は武蔵野うどん業態だけではなく別の業態にもチャレンジし、ビジネスとしての展開も考えていきたいとのことだ。