ホテルでバーテンダー を経験。当時、バブルが弾けた頃で今後のホテル・バーにも陰りが見え、非日常が風化していくのを感じ「自分がベストを尽くせる店」と考えた時に、独立。
ホテルに守られてきた、積み上げてきたバーテンダーとしての自分が個人として、リスクを背負い、どうなるか、ということも考えた末の思い切った挑戦だったそうだ。
当然、マイナスは予想していたものの、それを上回るアクシデントが起こり、自己責任と捉えたものの何のために独立したのか、しばらくは途方に暮れたこともあったようだ。
現在の店は5軒目。3軒目までは、経営のために店の規模を縮小するための移転。4軒目はホテルから声がかかり、そこに移転し、やっと軌道に乗ることができた。
40代前半、体力はまだあったので、20時~5時まで365日休みなく働いた。お客様から「疲れていないか?」という心配の声が聞こえてきた。さらに「バーテンダーは心療内科のドクターのようなものだよね」とも。お客様が話したいことにも拒絶する自分がいることに気付いた頃、同級生に「休んだほうが、もっと良い仕事が出来るよ」と言われ、肩の力を抜くことが出来るようになり、ホテルからの声がかかったのは丁度その頃だったという。
そのホテルもインバウンドが増え客層が変わり、売上が下降気味になった頃、現在のホテルから声がかかり、花屋さんなども同じ空間にあるオープンスペースだった街外れの場所から、街中で、ほぼ路面店で個室店舗という条件で平成28年7月に移転した。
現在の店のコンセプトは、キャプテンルーム(船長室)。出会いと別れがある郷愁のような船の駅。ここでは、そんな風に肩の力を抜いて、リラックスしてほしいという男のロマンを詰め込んだようだ。
トレンドは取り入れながらも昔ながらのバーにこだわりたいという。
これからはバーテンダーの待遇を改善できるように小規模店舗のチェーン化を目指したいと語る。