元々、飲食店を経営したいと考えていた。イタリア料理店で勤めていた時に今でも尊敬してやまない社長はじめ経営陣の方々から本当にたくさんのことを教わった。ある時、その会社で地元の一大イベントに物販店舗として出店した際“食”で地域に貢献することができるかもしれないとの実感を得たことと、尊敬する上司の独立開業を機に、より深く、しっかりと人生を考えた結果、“飲食店を出店することで地元の、良き街づくりへの貢献や活性化に繋げ、恩返しをしたい!”との強い気持ちで、やるなら30代前半の今しかない!と開業を決意した。お店作りで大切にしたのは、まず「家族で食卓を囲み時間を共有する大事さを認識してもらえるお店」。2つ目は「非日常の幸せを感じていただくと共に毎日の暮らしの中にある幸せに気づいてもらえるお店」。3つ目は「本格的ナポリピッツアを地元の人に親しんでもらえるお店」とした。開業時に想定外だったことは本格的ピッツアよりも大手ナショナルチェーンの宅配ピザに慣れていたお客様が焼きたてを店内で食べるよりもお持ち帰りされる方が多いことに驚き、ナポリピッツアの知名度がこんなにも低いということに初めて気づかされた。また内装に関して図面上で構想したものと実際に出来上がったものとのイメージの違いや、オペレーション導線づくりの難しさを実感した。また近隣の幼稚園や小学校生のために作った座敷席よりもテーブル席需要が意外に高かったりと実践してみて初めて分かることも多かったそうだ。継続してこられた秘訣は地域の人達、家族、家族の友人知人、友人達に支えられてきたからこそ今があり、一人では決してやってこられなかったと振り返る。経営者として大事にしていることはスタッフを含めた「人」に尽きる。今後はOPENキッチンでピッツアを焼くところを見てもらえ、よりお客様とコミュニケーションが取れる1フロアーのお店を作りたいと意欲的だ。これから始められる方には「事業を始めるのは大変なこと!だからこそ相当な覚悟が必要です。心が折れそうな時に創業の思いを大事にして初心を忘れずにいて欲しいということと、企業は存続することが使命なので諦めずにピンチをチャンスとする方法を探し続けて欲しい。」とエールを贈る。