奥芝商店は札幌に総本店があるスープカレーの有名店だ。田代氏が開業をしたきっかけは、当時働いていた会社の新事業として、八王子の約8坪程度の飲食店を引き継ぎ運営する事になったことがはじまりだったという。会社の上司が奥芝商店札幌総本店のオーナーの知り合いだったことから、当初買い取った店舗で奥芝商店をのれん分けではじめようとしたのだという。現在は、札幌総本店で修業をし店舗の責任者だった田代氏が独立開業をし、移転をして現在の場所で「奥芝商店 八王子田代城」を経営している。
「これまで飲食店舗の経験はありませんでした、独立開業の際には開業資金や店舗の必要な手続きなどわからない事が多かったので、とにかくインターネットで情報収集したり、知り合いに聞きに行ったりしてました。」「生まれも育ちも北海道で東京には知り合いもいない中、逃げ道が無い中、当時はがむしゃらでした。」そう田代氏は振り返る。
奥芝商店八王子田代城のスープカレーの特徴は、甘エビの頭から出汁をとったスープと鶏ガラからとった薬膳スープをベースに、新鮮な具材のトッピングを好みで選べるところが特徴だ。組み合わせは100種類以上、自分好みのスープカレーを楽しむ事が出来るのだという。スパイスは15種類~20種類を独自の配合で使い分けている。野菜も地域の生産者から新鮮な野菜を仕入れ季節ごとに旬のものをメニューに入れている。「効味」と呼ぶ食欲増進のスパイスを旬の食材にまぶした小皿もオリジナル料理だ。
「開業当初は厳しい時期もありました。何がお客様にとって良いのかとにかく考え続けて、全て実行してきました。効率が悪いと思われるかも知れませんが、最初からやらなければただの妥協となってしまう。」「たとえば野菜を切るのも、直前に切った方が美味しいと感じてくれるのではないかと思ったら、注文が入ってから切ってみたり。とにかく妥協はしたくありませんでした。」妥協をせず継続を続けた結果、現在では多くのお客様に愛されるようになった。
今後は今のスタッフと共に、若者が飲食店で働きたくなる環境づくりをしながら、お客様がふとした時に思いだしてくれるような記憶に残る店を作って行きたいとのことだ。