30代半ばまではレコード会社に勤務していた。飲食店を始めるきっかけとなったのは、たまたま知り合いが、移動販売車を所有していたところからその車を譲り受けたのが始まりだったという。当時移動販売車の中ではカレーや弁当を売っている車は非常に多かったが、お粥を売る移動販売は少なかった。「自分自身はまだ会社員だった時に、日本全国色々な土地で食べ歩きました。もともと料理を作るというよりは、食べる方が好きなのですが、当時食べ歩いている中で、意外にもお粥を売って繁盛している店があったところから商品的に興味を持ち、面白いだろうと考えました。」上海出身の知り合いにアドバイスをもらいながら移動販売を始めるようになったという。
移動販売を始めると、当初の思惑通り競合が少ないお粥の移動販売は好評で、安定した売り上げを作る事が出来たという。「お粥に関しては、単純に中国や台湾などで一般的に作られている中華粥と同じには考えていませんでした。やはり日本人向けに健康であり安心安全なお粥にしたかったので、素材にもこだわりました。」そう佐々木氏はいう。
プレーンな鶏粥をはじめとするお粥は、無添加・無化調にこだわり使用する米は、全国から国産米を厳選し水分含有量の少ない店のお粥に向いている米を仕入れているという。鶏は宮崎の地鶏を使用し国産の干し貝柱や調味料にもこだわりがある。
移動販売から現在の店舗を開店したのも、知り合いが経営していた店舗を居抜きで譲り受けるタイミングが合い、2005年に「粥麺楽屋 喜々」を開業。現在はお弁当の販売も含めて事業を展開しているという。
「継続していくために努力は非常に必要ですが、やはりお客様からの思わぬ評価を頂けたりする事で嬉しく感じたり、やりがいを感じたりする事で継続する事が出来ていると思います。健康に良い食材をお出しして、健康に取り組んでいる人達やお客様の手助けに少しでもなれば良いと思っています。」今後もその想いを伝え続けて行きたいとのことだ。