加藤氏はもともと東銀座の有名洋食店にて、調理人として働きながら約10年間経験を積んできたという。当時その店舗で一緒に働いていた同僚と共同経営の形で、2007年オムライス専門店として立ち上げたのが、『フランキーアンドトリニティー』だ。
「独立を決めてから開業までの準備期間は約2年間かけました、有名なオムライス専門店を食べ歩いたり、他のメンバーもそれぞれ飲食店で働きながら技術やノウハウを学び開業に備えていました。」「ただ開業資金は非常に限られていたので、場所を見つけるのには苦労しました。」そう加藤氏は当時を振り返る。現在の場所を見つけるまでには、約300店舗の物件をみて歩いたという。「今の場所に決めたのは駅から近く、企業もありランチ難民といわれるくらいに昼時は人が出ていたので、地下の店舗でも行けるのではと感じ決めました。」
「開業当初はどちらかといえば運営面で試行錯誤してました。テーブルを入れ替えて席数を増やしたりメニューを改良したりとどうしたら回転率がよくなるかなど常に考えていました。」こだわりメニューのオムライスも毎日食べても飽きないようにと、開き型・包み型・まぜ型・のせ型と4種類を開発したという。また使う素材も黄身と白身の割合がベストなたまごを探すまで何種類ものたまごを取り寄せし試作を繰り返したという。
「黄身と白身のベストなバランスでかつ安定したレベルのたまごを探すのには、時間がかかりました。微妙なバランスが崩れてしまうと、色味が強かったりやはり満足のいくオムライスは出来なくなります。技術はもちろんですが、素材も厳選してベストなものを探し、今は特定のところから仕入れるようにしています。」そう加藤氏はオムライスのこだわりを語る。
「本格的なオムライスを出す店は、都内でも数軒だと思います。これからも日本ならではの洋食の文化を伝えて行きたいと思います。」将来的にはもう少し店を拡張したり、オムライス以外の洋食店業態にも挑戦していきたいとのことだ。