子供の頃から料理づくりが好きでした。好きなことをやって、お金をいただける飲食業は素晴らしい仕事だと思い、中学の時にすでに「大人になったら飲食店をやろう」と決めていました。16歳から飲食店でアルバイトをはじめ、バイト代はすべて貯金。20歳の時に、そのお金を頭金にお店を始めました。一時は。
アルバイトも含め50名ほどのスタッフを抱える規模にまで店舗展開を拡大したのですが、組織のトップとなり、デスクワークばかりの日々に料理人としての違和感を覚え、もう一度原点に帰って、一店舗の料理人として、お客さんと向き合う事を決意しました。それまでのお店は無償譲渡という形で整理し、最初の出発点である「清太麺房」で再起を果たしました。今のお店は、地産地消を推奨し“地域の食材と人をつなげる”がコンセプトです。しかし、オープン当時は食べてほしい料理とお客様が食べたい料理とのずれがあり、迷いの連続でした。そんな中で見えてきたのは、自分の得意とする料理を押すのではなく、お客様の求める料理をさらに磨き上げ、自身の創作をプラスする事。そうする事で、ヒットメニュー看板メニューが生まれてきました。当店の看板メニューは、味噌も野菜も地元産の「最強の味噌ラーメン」と、“地域を包む”がコンセプトの「岐阜ご当地餃子」(シリーズ)です。さらに最近では、「本巣まるごと餃子」の開発にも取り組みました。これは当店の取り組みが、地産地消推進と評価され、地元本巣市からバックアップがあったプロジェクトです。当店の経営理念は「カタチある夢を創造する」ですから、まさにその一つの成果と言えます。「夢」を持つことは非常に大切ですが、それをふわふわしたままにせず、実現可能な形に落とし込んでいただければと思います。