3年間、ホテルで調理スタッフとして経験を積み、23歳のとき「言葉もわからない」「お金もない」「あてもない」ままフランスへと旅立つ。その後、イタリア、スペインと渡り得たものは「生きるという事」そのものだったという。24歳で某有名店のシェフでありながら、全ての業務をまかされる。面接、経理からHP制作に至るまで、ありとあらゆる業務をまかされ自ら店作りを行った。驚くことに、すでにこの時から「ル ミュゼ」という名前で独立すると決めていたそうだ。同時に料理人としてのキャリアも積み上げ、31歳で宮の森の閑静な立地で開業する。その6年後に3倍の規模に拡大し、翌2012年にミシュラン北海道にて一ツ星を獲得する。お店の継続に必要なのは「技術」「経営」「人間力」の3つで、その中でも「人間力」がとても大切だという。本当に苦しいときに「潰れる人」と「乗り越える人」との差は紙一重で、これが「人間力の違い」だと静かに語る。結果はすべて「世の中が自分にどう評価してくれたか?」であって「料理人としての能力」と「経営者としての能力」は別にある。「料理ができるだけでは評価はされない」と言い切るのは、あらゆる物事を「生きること」から「調理」まで、自分自身で「受け止め」「乗り越え」てきたからこその言葉、深く確固たる信念を世に広く伝え続ける。