先代である母親が学校卒業後に東京の焼肉店へ修業入りし、あるご縁から旭川で開業したのは昭和42年頃だったそうだ。父親や祖母の他界、信頼できるスタッフの病などのタイミングが重なり、修業中の札幌から戻り家業に入る。常連のお客様から伝わる伝統の重さを痛感しつつ、時代に合わせたお店作りを模索し続けた。顧客ニーズの多様化と高齢化から座敷ではなく、テーブル席へ変更し、居心地感を重視した雰囲気とレイアウトに改装し、ワイン、日本酒なども取り揃えた焼肉店として、新たなお客様に楽しんでもらう為の企画を打ち出した。改革当初は、都会の流行をいち早く取り入れようと躍起になっていたが、ふと気がつけばどこか独りよがりな部分を感じ、地元のお客様に愛される店作りに集中しつつ、少しずつ新たなモノを加えていくようにした。長く続けて来られた秘訣は“口コミに尽きる”と常連客を大事にしてきた結果だそうだ。経営で大事にしていることは「お客様が来やすい、スタッフが働きやすい店づくりを目指しお客様の声を大事にすること」だそうだ。今後は、老舗焼肉店として多店舗化ではなく、アットホームな雰囲気で“知る人ぞ知る名店”と言われるようなお店に育てたいと意気込みを語る。