丸健水産の創業は1957年、初代がおでんだね屋として店を出したのがはじまりだ。当初はおでんだねを店先で売るだけで、今のような立ち飲みスペースはなかったが、買い物ついでに小腹がすいたお客様のためにとおでんをはじめたところからカウンターができ、お客様の要望にこたえてお酒も提供するようになったのだという。
「実は初代の頃は、お酒は扱わないという方針でした。お客様の強い要望もあって私の代からお酒の提供をはじめましたが、地域がら昼間から飲まれるお客様も多く、他店で飲んでこられた方は、お酒は1本までとさせて頂いています。」「やはり女性のお客様も多くいらっしゃるので、気持ち良く楽しんでほしいですからね。」そう二代目店主堀井氏はいう。「良いお客様は良いお客様を連れて来てくれます。そんな来て頂いたお客様に美味しいと言って頂くのが一番のやりがいです。」お客様に気分良く楽しんでほしい、そのための環境を整えるのにも人一倍気を配っているとのことだ。
おでんだねは常時約40種類を準備し、最高に一番美味しい状態でお客様に食べて頂けるようにおでん鍋の管理を怠らない。「うちのおでんだねは添加物や保存料は一切使用していません。そのため味に期限もあるので他に卸す事もしていません。」「ねりものやさつま揚げなどおでんだねは、全て自社工場で製造加工しています。」「他店のやり方もありますが、うちの店では一番美味しい状態で提供できるように、タネを煮込みすぎないように気を使っています。頃合いを見て、たねの種類ごとに入れ替えをしています。忙しい時には1日3回から4回入れ替えています。手間はかかるがお客様のために手は抜きません。」そう堀井氏はこだわりを語る。
「今後もお客様のために、身体の動く限り店に立ち続けたいですね。動かなくなったら店先にでも座っています。」と笑いながらいう。こだわりのおでんと店主の人柄に魅了されたファンは多く、地元の常連客や評判を聞いてきたというお客様で、常に客足は途絶えない。