若い頃からレストランに携わり、シンガポールでも、接客・サービス業で“売り上げを伸ばす手法”に磨きをかけ、トレーナーを務めるなど、豊富な経験を積んだ。夫の忠明氏は、会社員時代に多くの飲食店開業を手掛けてきた。その一つに、フレンチ・イタリアンの専門店もまだ多くはなかった時代に、インド料理店立上げ経験を持ち、インド人シェフとの強いパイプもあった事から、互いに2人で強みを活かしたインドカレー専門店を開業する事を決意し、昭和58年、円山の地で開業を迎える。真剣であるがゆえに、忌憚なく意見をぶつけ合い、本当に良いと思える事を追求し続け、今年で34年の歴史を刻む数少ない“老舗”である。“札幌の一番星”を目指し、開業当初より、地域の方々から「自分のキッチン」として利用して頂き、瞬く間に話題の行列店となった。独自の野菜ペーストを使用したオリジナルソースが魅力で、多い時は、36席10回転という盛況ぶりだったそうだ。経営理念は、“家庭の食卓とお客様の食卓の違いを常に念頭におく事”で、いつも顧客を重視し、店舗展開は一切しないポリシーを貫いてきた。今後は、親子3世代が通う老舗店を守りつつ、“今風”に翻弄されず、“ミルチらしさ”を大切にし、人を育てながら、新しい事にもチャレンジしていく。