元々、祖父が炭鉱町で和菓子店を営んでおり、2代目となる父が、東京での修行期間中に、廃坑が決まり、町ごと無くなるという事で、止む無く、一家で札幌市に移住。購入済だった土地が、北区新琴似で、当時は、家屋もポツンポツンと数軒しかなかったそうだ。そこで東京から呼び戻された父が、店を任され、東京のモダンスタイルな和洋菓子を、人里離れた場所で製造販売するという“挑戦”が始まった。店舗は、構えてはいたものの、もっぱら、市場の中にあった販売所や、配達で売上を上げていたそうだ。3代目となる自分は、父と同じ東京のお店に修業に入り、さらに、いくつかのお店で腕を磨き、25歳で実家に戻り、そこから父との2人3脚が始まった。主に、自分が洋菓子を担当し、父が、和菓子を作っている。長く継続できた理由を、父・征雄さんは、“真面目にコツコツ・丁寧に・お客様の要望に応えてきた結果”と静かに話す。今後も、モノ作りに集中し、柔らかいモノは柔らかく、温かいモノは温かく、出来る限り、出来立ての甘さを控えた和洋菓子を、目の届く範囲で、直接手渡しでお客様に提供し続けていく。3代続くお菓子屋さんの物語は、まだまだ続いていく。