大学時代にバーや居酒屋のアルバイトから、飲食業界に関わりはじめた橋本氏。
大学卒業後、大手飲食FCチェーン店に就職し、およそ10年間現場での店長から新店舗の立ち上げ、複数店舗を統括するブロック長まで経験をしてきたとのこと。
「大手の飲食企業では、貴重な経験を積むことができましたが、一方でやはり飲食業界全体の職場環境などの課題を感じた部分は大きくありました。労働時間が長く、体力的にもきつい、そして給与条件もよくない。そんな環境を変えていきたいと思っていました。」そう橋本氏は語る。
「飲食店開業をしたきっかけは、当時チェーン店で働きながら、やはり自分の幸せだけではなく、一緒に飲食店で働いている仲間とともに、人生のステージを上がっていき、良い職場環境整え、飲食店で働くということの地位を上げていきたいと考え、独立開業をするために退職を考え始めていました。その時期に、当時勤務していた会社の経営者から業績不振店の引継ぎをしての独立の方法もあると話があり、巣鴨にあったFC加盟店の業績不振店を引き継ぎ独立をしたのがはじまりです。」そう橋本氏は独立当時を振り返る。
「実は不採算店舗の引継ぎでしたので、非常に条件としては厳しかったです。店のつくりも悪く、入り口も入りにくい店舗で、10年間営業の実績はあったものの、前オーナーの家賃未払いが数百万ありました。それでも引き継ごうと考えたのは、ここでやらなければ一生やらないだろう。これは条件は厳しいが、仕事に呼ばれたという直感があったからです。」
「引き継いでの開業当初は、自分自身も店舗に入り、お客様の顔と名前を全部覚えてお客様の好きなものを把握したり、来て頂いたときの声かけも地道に行っていました。それをしつかりと行った結果、不採算店舗を9か月後には軌道にのせ利益を出せる店舗にすることができました。」ただ自分が現場を離れてしまうと、売上が下がってしまうということも経験し、スタッフに会社の方針や理念を伝え続ける重要性も感じてきたとのこと。
「この会社は何のために、誰のために存在しているのか。経営者自身が目標をしつかりと決め走らないとスタッフを引き付ける引力がなくなってしまいます。またスタッフもそこが腹に落ちていないと一緒に戦えないと思います。」今後も人の心を大切に、今の直営店舗を少しづつ増やし、海外へも活躍と活動の場を広げていきたいと考えているとのことだ。