大学生の頃居酒屋でアルバイトをはじめ、飲食業界に関わるようになったという金山氏。
その後、アサヒビールに就職し約9年間会社員として、ビールの生産や醸造に関わり、味の研究をしてきたという。
「ビールメーカーの社員として、生産や商品開発の現場に携われたことは、今非常に経験として生かすことができています。」「自家醸造設備を併設して、飲食店をはじめようと思ったのは、やはり自分自身でビールの味を研究し試したいという思いが強くなり開業を考えはじめました。」飲食店開業を考えてからはおよそ1年間の準備期間を置き、店舗のコンセプトや事業計画、店内での醸造設備をどうするかなどプラン立てを行ったという。
「物件探しにも多くの時間をかけ、街を歩き回りました、北千住のエリアを選んだのは“町が元気”だったからです。商店街と住宅が密接していて、地元の方たちが頻繁に外食する文化が感じられたことが選定した理由です。」
「今の物件は、地域を歩きながら不動産を探していた時に、見つけたものです。もともと飲食物件ではなかったため、大きく工事をする必要がありましたが、費用をおさえるために自分たちで壁塗りや天井を改装したり、工夫できるところは自分達でしました。」そう金山氏は開業時を振り返る。
2016年3月に開業をした「さかづきBrewing」は、地域のサラリーマンや夫婦・ファミリー・カップルなど幅広い世代に受け入れられ繁盛店となっている。
「開業をしてみて感じたのは、ビール業界は消費が落ち込んでいると言われていますが、
思った以上に、この場所では地域の消費が高いと感じました。」
「店では自家醸造ビールの豊富なラインナップを維持しながら、常に新商品を開発し入れ替えていくことを重視し運営をしています。また料理ではフレンチやイタリアンの経験豊富なシェフとともに新鮮な野菜や旬を意識した料理を提供し、ビールと食事を両方楽しんで頂ける店づくりを意識しています。」自家醸造のビールはオリジナル7~9種類をラインナップし、定番1~2種は残しながら、週2回のペースで5~7種の新商品を開発し入れ替えていっているとのこと。
「どちらかといえば、醸造や研究をする方が好きなので、新しい原材料や組み合わせを試して、実際にできたときに新しい発見があることが非常に楽しく魅力に感じています。
一度作ったビールも、レシピは都度見直して変更を加えることにより改良を加えます。同じスタイルにこだわることも大事ですが、どんどん新しい味への挑戦をしていきたいですね。」今後は、もう少し大きな醸造所を作り、様々な新商品を開発していきたいとのことだ。