実家は横須賀で100年以上続く、老舗の懐石料理とうなぎの店「大黒屋」だという中山氏。外食チェーンで店舗の運営や商品開発に携わり、その後実家の老舗店舗で約2年間修業を積み「めぐろ大黒屋」を開業したのは32歳の時だったという。
「もともと実家が老舗の懐石料理とうなぎのみせだったので、そのノウハウや技術をもってこれるということや、仕入れや食材などもうまく本店と活用する事ができるメリットもありこの業態で独立しました。」「またうなぎは昔よりはるかに希少資源となり、今ではなくなりそうな食文化となっています。日本伝統の食文化の一つとして伝えて行きたいという思いもありました。」そう中山氏は語る。
創業明治38年だという老舗の本店から受け継がれているたれを使用、うなぎの仕入れや仕込み調理も本店仕込みの本格的なうな重を提供している。また女性や中高年層には嬉しい、ボリュームを控えた半身丼も好評だ。今では周辺のサラリーマンやOL、地元在住のの中高年層など常連客も多くいる。
「この場所はもともとは実家の駐車場でした。土地勘がある地元で出店をしたいと考えたのと、なるべく低投資で資金をかけず出店を考えこの場所に決めました。」開業に際しては、これまでの大手の外食チェーンでの新規出店の経験や、商品開発での全て数値に起こすというレシピの作り方や仕事の効率化などを上手く本店や自店にも取り入れる事が出来たという。「自分の意思で仕事が出来る。店を経営するようになってからはそれがやりがいの一つです。そして自分や家族との時間も作る事が出来るようになった事も良かったと思っています。」
「これから開業する方には一般的かもしれませんが、人・物(商品の仕入れや確保)・金・情報(広告宣伝)を良く考える事が大切だと思います。」そう中山氏は語る。今後も日本伝統の食文化うなぎの美味しさを伝え続けて行きたいとのことだ。