いずれ自分のお店を持ちたいという夢があった。元々、料理は、中華が専門だった。ウインザーホテル時代には、サミットで各国の要人に料理を提供した経験が自信に繋がったのもあり、いざ、出店を決意するも、中華では、昼は強いが、夜が弱くなる傾向にあるので、熟慮の結果、“和食をメインにした中に、美味しい中華も出て、色んな種類のお酒が楽しめる”且つ“北海道産の鮮魚を炭火で提供するお店”をコンセプトとした。そう考えたのは、これからは、世界遺産登録や、高齢化社会においては、最終的には、消費の流れが和食に戻るはず、という分析だった。やはり最初は、居酒屋に来て、「何故、麻婆豆腐?」と思われたが、狙い通り、今では、“居酒屋なのに本格麻婆豆腐が味わえるお店”として、意外性が、口コミで広がり、一番の人気メニューになった。OPENした翌年に、東日本大震災以後のススキノ不況を乗り越え、現在、しゃぶしゃぶがメインのお店「しずく」と2店舗を運営する。自分の中で、必ず決めているのは、「お出迎え」と「お見送り」をする事だ。この心を届ける小さな行動は、どんなに忙しくても欠かした事がない。今後は、海外や、別の業態のお店も視野に入れ、チャンスがあれば展開する。