幼少期に食べたお子様ランチのデミグラスソースに衝撃を受け、以来「コック」になると決めていたという。高校を卒業し2つの有名ホテルで16年間修業し、その後「調理師たる者、大小の施設、和洋中なんでも経験すべき」と、小規模のホテルや学校、病院などで様々な経験を積む。熟成ソースが完成するまで一切の添加物を使用せず、じっくり3週間かけて提供される北海道初のデミグラスソース、ハヤシライス専門店として開業する。こだわりはソースだけでなくサラダに使用する野菜にも及ぶ。全国の食材を厳選し、自ら栽培、収穫もする。お米も、その年の出来で選んだ品種を玄米で仕入れ都度精米する。食材、調理に対しての姿勢に一切の妥協がない。開業当初の苦労を尋ねると、考えに考え抜いた「お店のコンセプト」に適した物件を見つけるのに3年かかったことと、北海道初=「誰もやったことがない」事業に対し、金融機関も融資実績がなく資金調達が大変だったことだという。しかし、飲食業の厳しさを理解しているからこそ「お客様への目配り、気配り、心配り」を大切にし、誰かの真似にならないよう努力を惜しまず、いかに質を落とさないかを貫いているそうだ。今後も欲を出さず「美味しい」の一言、表情をいただくために、こだわりを貫き続ける。