お父様が経営していた老舗の海鮮お座敷居酒屋を手伝っていた時に、お父様が病に倒れたことがきっかけで、本格的にお店に立つことになったオーナーの馬場さん。
旭山動物園人気で、老舗のお店は観光客の方でいっぱいとなり、昔から通ってくださっていた常連のお客様が入店できない状態が続いたため、地域のお客様のためにと、ビルのテナントで自分のお店をオープンさせたそうだ。
お店は先代の教えを引き継ぎ、新鮮な素材の良い物を仕入れて、一番美味しい状態で提供することを大切に、その日仕入れた旬のものを全席のメニュー表に毎日入れる徹底ぶりを続けている。お店を続けてこれた秘訣は、「儲けようと思ってやってはいけない。そのお客様が喜んでくれたら、また来てくれる。それを繰り返したら自分達も食べていけるだろう。」というお父様から教えられた精神を常に心得てきた、と語る。経営理念としては、先代が親しくしていた三浦綾子さんから直筆で書いていただいた「今日という日には誰もが素人だ」という言葉を大事にしていて、店内の目につくところに飾っている。誰もが素人だ、何十年やった人間も初めてやる気持ちを大切に、その姿勢を忘れない気持ちを先代から引き継いでいるそうだ。これから始められる方には、自分のカラーを上手にださないと生き残れないので、お客さまとのお付き合いも大切に、人間対人間であることを忘れず、美味しければ良いのではなく、お客様への気遣いを大事にしていってほしいと、エールを贈る。