先代である父が旭岳の麓で窯を築いて陶芸をしていたが、29年前に窯を移転して、サロンと喫茶店を隣接させた、アートギャラリーとして開業。ものづくりの拠点として国際交流の場でもあったお店を、先代が亡くなった後に引き継いだ佐藤氏だったが、初めは不安で仕方なかったそうだ。
バスも走っていない場所なので、冬の5か月間は天候に左右されやすく、冬の運転となるとお客様が半減するため、その状態で雇用の確保や従業員のモチベーションを維持するために、必死だったと語る。
イベントを企画したりこちらから仕掛けるなど、どうしたらお客様を増やしていけるのか、模索しながら続けてきたそうだ。
13年前に現在のスタイルにリニューアルし、縁ある作家さんの作品の展示や、父の遺作展として陶芸品の展示スペースが隣接し、さらには新緑新芽の時期はカフェから見える庭が美しく、町外から非日常な雰囲気を味わいに通ってくださるお客様が多いそうだ。
オーナーの佐藤氏は、現在はカフェの他にお土産店や北海道の商品を販売するお店を複数経営するなど、地域に根差した事業も手掛けている。
これから始められる方には、苦労は買ってでもしろ、という言葉のとおり、楽をして決して良いことはないということと、逆境があってこそ経営を強くするので、ハングリーな気持ちを持ち、リスクを背負って覚悟を持つことも大切だと語る。信念さえもてばなんとかなるので、すぐに諦めずにがんばってほしい。事業計画をしっかり作って、金融機関と良いお付き合いを続けてほしいと、エールを贈る。