先輩経営者からのメッセージ

東京都の先輩経営者

福島 三郎

経営者自身が店舗にたち、想いをつたえることで魅力ある店になる

代表取締役福島 三郎焼きそば(1984年創業)

福島氏と飲食業の関わりは、両親が飲食店(お好み焼き業態)を熊本で営んでおり、中学生時代から家業を手伝い始めたのが、始まりだった。その後両親の店を引き継ぎ、経営をしながら、2号店目に地元で焼きそば店を2005年に出店、2号店が軌道に乗り弟子に引き継いだ後、2013年に東京神保町に3号店目を出店。3号店目が軌道に乗りそこも弟子に任せ独立させた後2016年に高田馬場に現在のお店を立ち上げたのだという。

『考えとしては、自分自身は手広く事業を拡げて直営店を増やしていくという考え方はなく、経営者自身が店に立って、お客様に想いを伝えていってこそ魅力がある店ができると考えています。今まで立ち上げてきた店舗も、従業員がやりたいと手を上げれば、全て譲って独立をしてもらっています。』そう福島氏は語る。

『なぜ手打ち麺焼きそば専門店にしたかというと、うどんやラーメンはこだわりを持って味を追求して経営している飲食店はその当時もありましたが、同じく親しみを感じられる焼きそばというメジャーなカテゴリーで本当に美味しいと感じられる、こだわりを持っていやっている店は全くなかったからです。自分自身が行きたいと思える焼きそば店をつくろうと考え始めました。』その当時まったく見本になる店がなかったが、福島氏は製麺所や手打ち麺を提供しているラーメン店やうどん店を食べ歩きながら、本当に美味しいと感じられる理想の焼きそば麺を追求し続けたとのことだ。

 『理想とする麺はやわらかく・のど越しがよく・もっちりした食感、そしてコシや麺の太さ、硬さも理想の焼きそばを想いながら改良をいまでも重ねています。』こだわりの焼きそばの魅力を経営者自らが発信し続けることにより、行列が絶えない店となり、開業した店舗はいずれも順調に軌道に乗り、経営をやりたいという弟子に引き継いできているという。

 『毎日同じ商品を出し続け、仕込みも分単位秒単位で同じ作業を寸分変わらない日常を今も続けています。ただ何も考えずにやるということではなく、常に理想の焼きそばの姿を考え改良を重ねています。ですから開業当初に出していた焼きそばと、今の焼きそばでは全く違うものに進化していると思います。』そう福島氏は語る。

 『開業時には物件探しから、店舗の設計施工まですべて自分自身でやります。自分自身がまず行きたいというお店づくりをしなければ、お客様に本当に魅力を伝えられないと考えるからです。』福島氏は、独学でCADを学び、新店を立ちあげる際には自分で図面を引き、大工を手配し現場で施工管理も行っているという。

 『これから開業を考える方は、最初に自分自身がどの方向に進むか2つの選択を考えることが必要だと思います。店に立ち続けることが好きで、お客様に店の魅力を現場で伝え続けて行くのか。もしくは事業としてオーナーという立ち位置で拡大を目指すのか。中途半端に考えてはじめない方が良いと考えます。』『私自身は、経営者は店舗に立ち続けてこそ魅力が出る店が出来ると考えているので、これからも独立したいと考える弟子がいれば、店舗を譲り、自分自身はまた新しい店舗を立ち上げて店に立ち続けていきたいと考えています。』そうこれから開業を目指す方への言葉をいただいた。

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