吉村氏の開業のきっかけは、学生時代に飲食業でのアルバイトを経験したことだ。その時から漠然と飲食業に対して憧れを持っていたという。一旦サラリーマンとして働いたが、脱サラし開業を決意。半年間飲食店の学校に行き、その後いとこと共同で長野県飯山市に飲食店を開業した、その後家の事情で地元の現在の場所に移転したという。
目を付けた物件は地方都市の駅前という立地だが、単独ビルの地下物件であり立地条件としてはいいとは言えない場所だった。しかし、人の流れがあり、また当時喫茶店全盛の時代で、コーヒー専門店としてロースターを導入すれば味の個性で勝負できるのではと考えてこの物件に決めたという。
その後時代の流れに合わせ業態や商品も工夫や転換を図り、現在は居酒屋「のあ」として、地元信州の食材を使った商品をウリとしている。人気メニューは地元に合わせ『たれ』を独自に開発したこだわりの串揚げやつくね串。そして地元ならではの郷土料理の馬刺しやシカ肉などのジビエ料理だ。
「名物・人気メニュー誕生まで苦労し感じたことは、自分自身のアイディアと実際の売上は直結しないという事。自己満足ではなく、それを冷静に判断し地元のお客様の好みへと適応させることが大事です。」と吉村氏はいう。料理だけではなくお客様に満足して頂くために接客にも力を入れている。お客様が喜んでくれた時、それが味でもサービスでも満足して頂けたという反応が返ってきてくれた時が一番やりがいを感じる時だという。
「人生は永い、そして飲食店経営も永く続く繁盛店になるように「努力をおしまずに」続ける事。」今後も店を通じて地元(上田地域)を知ってもらい、お客様同士や店とお客様のコミュニケーションがより深まる店づくりをしていきたいとのことだ。