実家は蕎麦店を営んでいるという永井氏だが、学校を卒業をしてからは大手化学メーカーの人事担当として仕事をしていたという。転機が訪れたのはリーマンショック以降、メーカーもその影響を大きく受け人事担当としてリストラにも関わった時だった。「それまでは比較的安定した職だと思っていましたが、その当時将来像を描いた時に自分自身も手に職を持ちたいと考えました。父親が蕎麦店を経営していたのでその姿を見ていた影響もあったかもしれません。」そう永井氏はいう。
会社を退職後神楽坂の蕎麦店で修業を積み、実家でも働きながら約2年半の準備期間を経て、2013年「しゅはり」を開業した。「実家を継ぐという選択肢はありましたが、やはり父親の店ですからもっと自分のカラーをだしたり、様々な挑戦をしたいと考えて自分の店を持つことに決めました。」開業当初は蕎麦をウリに蕎麦居酒屋というスタイルで開業したというが、自分にしかできないことがもっとあるのではないかとこれまでの経験を振り返り、石臼挽きの自家製うどんを出す店に業態変更して現在営業しているという。
こだわりの石臼挽きの自家製うどんは、国産小麦を店舗で挽き群馬県産の小麦粉を配合している。店舗で挽く事により鮮度が高く独自の風味を感じられ「細くて喉越しが良く、小麦の風味を感じる事が出来る美味しいうどん」を作る事が出来るのだという。また自家製粉することで胚芽部分も一緒にブレンドされるために栄養素が多く体に優しいうどんである事も特徴だ。こだわりのうどんは口コミで評判となり、多くのメディアにも取り上げられ常連のお客様も増えてきたという。
「この店舗では色々な事に挑戦したいと思っています。もっとこの石臼挽きの自家製うどんの魅力を伝え、今後は通販などもしていきたいと準備しています。」様々な分野に今後も挑戦していきたいという永井氏。将来的には、飲食事業以外にも複数の分野で事業を展開したいとのことだ。