メニューは焼餃子一品のみ、『亀戸餃子』は餃子1品にこだわりを貫いている抜いた下町の老舗餃子専門店だ。開業は1950年、現在は二代目の石井氏が家族で店を切り盛りしている。初代が戦後亀戸で開業し、二代目も幼いころから学校に行く合間に店を手伝っていたという、1950年当時は寿司やラーメン店はあったが、餃子専門店は亀戸の周辺では全くなかったという。「店舗があるのが表通りから一本入ったところにあり、開業当初は周辺に店を知って頂くために、チラシを貼らせてもらったり近隣の会社にまわったりとにかく一生懸命なんでもやったと聞いています。」「この場所は何軒か前の店が入れ換わっていたようで、当初は餃子だけメニューの店なんか続かないとも言われていたようですが、今はおかげさまで多くのお客様にファンになって頂き、60年以上続けられています。」そう石井氏はいう。
焼餃子ひとつのメニューだが、強いこだわりがある。「その日のうちに仕込んだものはその日のうちに売り切る」ことを守っている。国産の新鮮な材料を使用し、出来たてのうちに食べて頂きたいという想いがあるからだ。また自家製のラー油をはじめとしお酢や醤油もすべて店独自に作っているという。焼くための油もオリジナルの配合で油をブレンドして使用しているとのことだ。またからしと一緒に提供されるのも店の特徴だ。「餃子の良さは、お客様の好みで調味料を作って自分好みの味で召し上がっていただける事。そしてお腹のすき具合で自分のペースに合わせて量を決めれる事だと思います。」そう石井氏は語る。
店の中はカウンターが中央に配置され、昔ながらの鉄板鍋で目の前で餃子が焼き上がるのを見る事が出来る。焼き上がるのを待っているお客様にも目の前で焼くのを見て楽しんでもらいたいと考え初代が作ったのだという。こだわりの餃子は地域に愛され、多くの常連客で毎日客足は途切れない。毎日6000個~1万2000個もの餃子を売り切るという。今後も餃子一本にこだわり店を続けて行きたいとのことだ。