家業は、札幌で3代続く地元スーパーと、喫茶店を営んでいた。東京の料理修業から戻り、流行り始めたパスタを中心としたお店を、1991年に自分達の手で、喫茶店をリニューアルして、オープンさせた。当時は、皿盛りパスタの人気が出始めた頃で、競合店が何軒もひしめき合う激戦区だった。そこで、勝ち抜く為に、他店との差別化の目玉として、イタリア料理の「カルトッチョ」をヒントに、パスタを紙で包む「北海道紙包みパスタ」専門店とした。お客様が、自分で紙の包みを破ると、あっつ熱の湯気と共に、美味しい香りが立ち上る、北海道唯一のお店の誕生だった。宣伝広告費をかけず、ひたすら口コミを意識し、ご来店頂いたお客様に満足して頂く為の「おもてなし」を徹底し、「声」を拾い続け、その都度、修正進化させていった。オープン半年程を迎えた頃、ローカルTVの取材が入り、そこから人気に火が付いた。連日行列のできる大繁盛店となった。船木シェフ曰く「北海道民の気候風土に合ったんでしょう。」と語る。次に、もっと多くのお客様に喜んで頂く為に、数十m隣に、北海道初の窯焼きピザのお店「レ・マドリ」をオープンした。厳しい業界、逆境を勝ち抜く為のモットーは、「人生!人のやらない事を最初にやる!」だ。今後は、次世代を受け継ぐスタッフにお店を任せ、時代に合わせ、自分自身を変化させながら、全国のもっと多くの方に愛されるメニューを生み出し、伝え歩く。